Amazon ads(広告)の最適化を行う方法

2022 | 01.27 / Amazon |

クリック課金型広告であるAmazon内広告のスポンサープロダクト及びスポンサーブランド広告は、Amazonセラーとして非常に重要な販売促進ツールの一つです。

 

Amazonの商品登録数は年々増加傾向にあり、グローバルプラットホームとして進化を続けています。
日本からUSへの販売も出来るようになり、さらなるプラットホーム戦略を組むことにより売上の向上と主要販売チャネルと進化する可能性があるのがAmazonセラーセントラルと捉えています。

 

Amazonでの販売戦略で大きな重要なポイントとして、

  • Amazon内SEO対策
  • レビュー件数及び評価
  • 商品ページの最適化
  • 商品紹介コンテンツの活用
  • スポンサープロダクト、ブランド広告

が大きな対策内容として挙げられます。

 

その中で、スポンサープロダクト広告や、スポンサーブランド広告を使用し売り上げを確保するためだけのものではないことに注意が必要です。

PPC広告による売り上げを獲得することにより、Amazonプラットフォームでのオーガニックランキングの向上や商品の認知、両方が増加する傾向にあります。商品のスコアリングがAmazonのアルゴリズムに比例していることが影響があるのだと考えています。

Amazonセラーにとって、スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告は出稿金額に関わらず、少なくとも着手すべきプロモーションですので、是非活用をお勧め致します。

 

では、Amazon広告に対してどのように最適化していくのかという点について述べさせていただきます。

適切なキーワードを抽出し設定を行う

こちらはEC事業を展開されている企業であればほとんど対応している内容ではないでしょうか?

GoogleやYahooの検索エンジン対策(SEOやリスティング運用)において対策している内容と同様、Amazonにおいても検索エンジンを主としたプラットホームのため、事前準備が必要になります。

まずは、上位キーワードの検索ボリュームまたは上位検索キーワードの一般的なボリュームを確認することです。

AmazonにはGoogleのキーワードプランナーのような、調査ツールがないためどのように調査するか不明という方は以下の外部ツールの使用をお勧め致します。

 


セラースプライト
 日本語版、試用版有(無料で一定数の検証も出来る)
 月額:$98~

AMZscout
日本語版無、14日間の無料トライアル。
月額:$29~

Arrows10
日本語版有、無料プラン有
 月額:$97~

amatopia(アマトピア)

日本語版有、14日間の無料トライアル。
月額:14,800円~


※留意しないといけないポイントとしてはあくまでもAmazon側が提供している仕組みではないこと。
その前提として、各ツールによりデータの取得ロジックも変わってきます。そのためツール利用に於いてはあくまでも概算数値(目安)として判断する相場観も持ち合わせたうえで利用することをお勧めしています。


 

 

上記のツールを用いて調べることが出来る検索ボリュームや関連ワードの抽出により、Amazon側でのニーズ調査や流入数のシミュレーション等も図ることが出来ます。

もちろんビッグワード等での出稿は入札額も高くなり、かつCVRに関しても上がりにくい特性があることに留意を行い、適切なワード選定とクリック単価の適正値を判断し設定を行う必要があります。

 

Amazonスポンサープロダクト|オートターゲティングを活用する

オートターゲティングの仕様は、過去1年間で大幅に改善されました。

Amazonスポンサープロダクトを初めて運用される方は是非このオートターゲティングから実施されることをお勧め致します。

 

このオートターゲティングは、商品情報のテキスト情報やカテゴリ属性により関連するキーワードをAmazon側が自動判別し有効なキーワードに自動配信を行う仕組みになっています。

以前は、オートターゲティングでは限られた設定しかできないという仕様になっており、除外キーワードを含めてデフォルトの入札単価を管理することのみでした。

手動での商品ターゲティングオプションが大幅に追加されたことにより、オートターゲティングも調整され、特定のASINを手動で設定する新しいオプションに対応できるようになりました。
これに加えて、自動キャンペーンには4つの異なるターゲティングオプションがあります。

Amazonのオートターゲティング

入札設定には以下の3パターンの設定が可能になり、自動運用の中でのルールを決定することが出来ます。

 

■キャンペーンの入札戦略
・動的な入札額 – ダウンのみ
Amazonが自動的に販売機会が低いとみなしたキーワードに対し入札単価を引き下げる設定です。

・動的な入札額 – アップとダウン
Amazonが販売機会が高いと判断したキーワードは入札を引き上げ、販売機会が低いとみなしたキーワードに対し入札単価を引き下げる設定です。

・固定入札額
Amazonは、正確な入札額と、出品者様が指定した手動での調整額を使用し、販売の可能性に基づいた入札額の変更はしません。

上記に加え、アップ変動比率を掲載枠毎に設定することができ、入札額の高騰を抑える仕様もあります。

 

 

■オートターゲティング

ここで、入札額の詳細の設定を行います。

①入札額の初期値を設定する
こちらの初期設定は一括設定となり、すべての商品に入札単価が一律で設定がされます。

②ターゲティンググループ別に入札額を設定する

・ほぼ一致(完全一致)

・おおまか一致(フレーズ一致)

・代替商品(商品特性に合った別のバリエーション等の表示をさせる)

・補完商品(商品特性に合った抱き合わせ関連商品の表示をさせる)

 

こちらのターゲティング設定以外に除外キーワードの設定や、除外対象商品の設定も行えます。

そちらは任意項目のため、多くの商品展開を実施されている企業であれば、除外設定を行うことによりより最適な広告運用が可能になります。

 

Amazonのオートターゲティングを使用する理由

予めキーワード指定をして運用するほうがエラーや最適化がしやすいのでは?と思われる方も多いかもしれません。

もちろん、その理論も一理あります。Amazonのオートターゲティングを活用する理由は複数あります。

 

■新規流入キーワードの獲得

Amazonのプラットホームの中では、顧客データベースと商品データベースが存在し、大きな影響としては顧客データベースにおける行動属性にあります。EC販売戦略を組み立てている方であれば容易に想像はできますが、蓄積した顧客行動によって生まれたキーワードや購買傾向、購買の高低などのデータを自動で判断し、自動でターゲット選定やキーワード設定等を行ってもらえるため、前提条件であるキーワードの選定などをAmazon側のツール内で自動で行ってもらえます。

 

そのため、オートターゲティング設定はAmazonの中では実施しない理由がございません。

 

■インプレッションの獲得

オートターゲティングはマーケット調査の意味も含み実施するケースが多いのですが、入札額をアップ、ダウンの両方を設定していた場合、購入動機が高い傾向にあるキーワードを自動算出し入札額を引き上げる仕組みがあります。

その仕組みを利用し、ある程度のテストマーケティング期間において入札額を引き上げ設定をしておけば、キーワードと商品のクリックスルー率及びCVRの関係性により、有効キーワードの発見を行うことが出来ます。

かつ入札額が引き上げられるので、インプレッションの拡大にもつながるのです。

ただインプレッションが増えれば、その分CTRは下がる傾向にあるのは事実ですが、Amazonは購買データに応じて引き上げ実施を行うため、非常に有効な施策の一つでもあります。

 

■マニュアルターゲティング設定のキーワード模索

オートターゲティングはあくまでも自動入札による運用のため、マニュアルターゲティングと異なり、設定仕様が異なります。そのため、オートターゲティングで効果のよかったキーワードレポートを抽出し、一部マニュアルターゲティングへの運用に切り替えることによりより詳細の設定を行う事で費用対効果の最適化を行うことが可能になります。

 

オートターゲティング、フレーズ等、キャンペーンからヒットしたASINのターゲットを発見でき、個別の単一ASINと完全一致タイプのターゲティングキャンペーンを設置、テストにより一貫した販売拡大を得ることも可能です。

 

プレースメントに基づいて入札単価を調整する

スポンサープロダクト広告は、検索のどのページにも表示される可能性があり、当然、入札単価が高い広告ほど表示率が高くなります。

もちろん、より高い入札で広告がフロントページに表示されるという保証はありませんが、Amazonでは、入札が1ページに表示されることが保証されている場合に、入札を一定の割合で増やすことを許可するオプションを公開していました。

関連性の高いキーワードで運用したい場合は、この仕組みを使用することを推奨しています。

これはキャンペーンレベルのみ適用されるため、表示回数を増加させるために強化するキーワードを選択することはできません。特定のキャンペーンで少数のキーワードを使用するか、特定の検索でより高いランキングを取得しようとしている場合は1つのキーワードを設定することが重要です。

こちらの運用方針は費用がかかる可能性があるため、慎重に運用することをお勧め致します。 また、高い入札単価でCVRが高く、1ページ目に一貫して表示されるキーワードまたはキーワードセットがあった場合、オーガニックランキングと長期的なオーガニック売上を確保する必要があるため、こちらは単価が高くても実施し続ける動機にしてもいいと判断しています。

 

入札額は定期的にチューニングしましょう。

Amazonは頻繁に仕様変更やアルゴリズムの変更等、システムのアップデートを繰り返しています。

新型コロナウイルスの影響によりAmazonの流通総額は約1.5倍上がったとされています。
その影響も受け、競合他社の参画はめまぐるしく多く、スポンサープロダクト広告に関しても入札額の調整に細心の注意を払わないとROASが全く合わない運用になってしまいます。

 

入札単価に対して費用効果を得られる方法はパフォーマンスと推奨入札単価の両方に応じて入札単価を日々調整することしかありません。

Amazonが提案している入札額は、競合他社の動向も示していると判断した場合、最も有効な指標の一つでもあります

経験則として、PPC構造全体と重要なキーワードの両方について、1週間毎にレポート観測を行うことをお勧めします。

 

 

是非、参考いただければ幸いでございます。